文/金井博美(写真も)


 
 いやーもうそろそろ言い飽きてきましたがホント色んな事が起こる時代です。
 まあアメリカのテロもそうですが、こういう事が起きるたんびに
 モノを創るサイドの人間が言う「現実がフィクションを超えた」とか、
 「私たちは何を表現していけばいいのだろうか」っていうのはもうそろそろ
 やめた方がいいんじゃないかと思ってます。
 「テレビで見る現実もひどいけど、
 自分たちのまわりにある現実のひどさの方が問題だ」
 こういう認識の方が素直だし世界に対する姿勢としては有効です。
 そしてまさにこの作品はそういう認識にのっとって成り立っています。
 ほとんど何もない空間に行き交う人々。
 彼らは自分をとりまく世界、日常を淡々とそして分析しながら語る。
 彼らは皆、観客に直接同意を求める様に話しかけてきます。
 しかしそれは見ている私たちに答えを求めるニュアンスではなく、
 あくまでも独り言の様に閉じた状態で話しかけます。
 登場人物どうしが会話をする時も、それは会話として成立した状態ではなく、
 独り言どうしの交わりとして表現されます。
 それはまさしく傷つく事を頑なにさけ続けた僕たちがたどり着いた
 世界なのでしょう。
 この作品はぞっとするほど「今」というモノを描いた作品です。
 だからここには救いも癒しもありません。
 しかしこの物語に出てくる自分たちの姿を見て、
 少し未来の僕たちを思い描くことが 明日への一歩になるはずです。


11月13日(火) 〜15日(木)

STスポット演劇フェスティバル スパーキング21

スパーキングカンパニー
 『団地の心への旅』


作&演出=岡田利規(チェルフィッチュ)
出演=笹野鈴々音、難波幸太、松岡洋子、三木望、南一葉、山縣太一

開演=(火)7:00PM (水)3:00PM/
7:00PM (木)7:00PM



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